moto-toyoda.net TopPage>Professional Baseball Game Report>2007/09/17[2nd. Game]
豊田元広の野球観戦日記
'07観戦日記第8章「最後までわからない」
端から見るには面白いのですが…

2007年9月17日 明治神宮野球場 東京ヤクルト【先発:石井一】VS中日【先発:山井】

明治神宮野球場、通称神宮球場。
高校野球のメッカが甲子園なら、大学野球のメッカは神宮球場。
プロ野球・東京ヤクルトスワローズの本拠地でもあります。
その昔、観客の少ないスワローズスタンドを嘆き、今日のスワローズの応援スタイルを築いたといわれる岡田正泰さん(故人)のエピソードは、オールドファンなら知っている人も多いでしょうし、いしいひさいちのマンガにも時折出てくることがあったのを見た方もいると思います。

今回の旅の主旨から言えば、ここ神宮に来れば、ヤクルトの応援をやってしかるべきなんでしょうが、何故か私の趣味で、「一度中日の応援をやってみたい。時期的にも中日側に入ったほうが盛り上がるだろう」ということで、中日サイドで応援することが決定しました。

さてこの1週前、今日見た4球団の先発投手の成績をチェックしてみました。
【中日−横浜】
→先発は山井と三橋。8回までともに譲らない投手戦となりました。
(横浜はこの次の日に先発した三浦が中4日で登板しましたが)
【広島−阪神】
→広島の先発は長谷川。かつての虎キラーの面目躍如か、阪神相手に好投しました。
【ヤクルト−巨人】
石井一久炎上


というわけで、1週前は、好投した山井と炎上した石井一久。

となると、今日の先発が確実なこの2人の投げあいなら、3塁側でよかったなー、と思っていながら、
横浜スタジアムから大急ぎで外苑前に到着し、食事を買うために球場近くのコンビニに入ったところで。
側にいた女性客がケータイでなにやら話しています。


「え?5-0になってるの!?ちょっとそれどーいうことなのよ!?」



5-0!?!?!?!?



もしこれが神宮での話なら…私の予想はドンピシャだった、ということでしょうか。


球場に着いてスコアボードをチェック。スタメンは次の通り。
中日 ヤクルト
6 井端 8 青木
4 荒木 4 田中
5 中村 7 ラミレス
3 T.ウッズ 9 ガイエル
7 森野 3 ユウイチ
8 李炳圭 6 宮本
9 英智 5 飯原
2 谷繁 2 川本
1 山井 1 石井




ホントに、案の定5-0でした。マジでびっくりしました。
噂によると、↓の人がホームラン打ったらしいです。この人そんなホームラン打つ人でしたっけ?


私達が球場入りしたまさにその瞬間、1回裏の攻撃が始まった、って感じでしたね。
その5点を取った光景を見られなかったのがなんとも心残りです。
かつてのセラフィニ先生大活躍(その1 その2)並に盛り上がったこと間違いナシでしたが。


でも先週の投球を見てる限り、山井だったら大丈夫だろうと思っていた矢先。

かきーーーーーーーん!!

なんとラミレスにソロホームランが飛び出します。


・・・にしても、この神宮球場、噂には聞いてましたがホントに狭いですね。
いつも京セラとか甲子園とか割と広い球場になれている所為か、あっという間に打球が消えてホームラン、というのをリアルに感じましたよ。ラミレスのパワーなら尚更、といった感じでしょうか。


↑ラミレスといえばこれ。つば九郎と共にカメラ前でパフォーマンス。

つば九郎とやるから、このパフォーマンスも映えると思うんだけどなぁ…。

さてヤクルト側に点数が入れば、スタンドで「東京音頭」ですよね。
「♪はぁ〜踊り踊るな〜ら チョイト東京音頭 ヨイヨイ 花の都の〜…」
と、その東京音頭が鳴り止まぬ間に、

かきーーーーーーーん!!

続くガイエルにもソロホームランが飛び出します。

いきなり2者連続ホームランで盛り上がる、そんな東京音頭でお楽しみください。



2回表。
1回は打者一巡したんでしょうね、2回も1番の井端から始まります。

そして3番、この男。


ゴネてオリックスを退団し、球団探しを行いながら、各球団がキャンプインする中、一人寂しく、来るべき日のためにトレーニングを続けていて、中日から「育成選手なら」というお声がかかり、「背番号205」から始まり、その後見事に2桁の背番号をゲットして1軍に定着した中村ノリ。
でも応援歌が「♪ホームランホームランの〜りひろ」っていう汎用応援歌なのがちょっと儚いです。


この横断幕。
驚弾炸裂 中村紀洋」と書いてあります。
見覚えがあります。・・・オリックスから引き継いだヤツでしょうか。


この回。先頭の井端が出塁し、荒木がバントし、ノリがフォアボールを選びました。
ウッズは倒れますが、森野もフォアボールを選び二死満塁
ここで追加点をいれ、スワローズを叩いておきたいところ。

続く打席にはこの男、李炳圭(い・びょんぎゅ)
2006WBCでは韓国代表として1番バッターに抜擢され、日本代表を苦しめました。

それを見た落合監督は、その実力を認め(←ここ重要)オフにこの李を呼び寄せ、アレックスを解雇した後の「5番・センター」に開幕戦で抜擢しました。
実際、開幕直後はそれなりに活躍しましたが、その後は素晴らしいまでの(笑)下降線を辿ります。
守備にも緩慢さが目立ち、中日ファンにも呆れられ「炳圭はNo Thank you」(←ニコニコ動画より)と言われたり、「ビョン吉」と揶揄されたりとあまり好意的に迎えられる存在ではありませんでした。


結果は案の定、凡退(サードへのファールフライ)。


案の定「バカヤロー!ふざけんじゃねーよ!」とヤジが。
(一部では、ある解説者が李の凡退について「案の定ですね」とコメントした、といわれていることから、このように李炳圭に関連する時は「案の定」という言葉を多用するそうです。)


しかしその裏。
ピッチャー・石井一久がヒット性の打球を放ちますが、珍しく李炳圭が好捕しました。


先ほどヤジを飛ばしていたオジサンも「いいぞー!」とエールを送ります。

これを「掌返し」といいます。



4回表。
荒木が出塁した後、続くノリのセンターフライで2塁にタッチアップを図るというスーパープレー。
続くウッズが敬遠された後、打席には森野が入ります。

打球はフラフラっとレフト方向に上がり…チェンジか、そう思った次の瞬間。



ポトリ。



なんとラミレスがそのフライを落球してしまいます。
2アウトでしたからランナーは走っていたこともあって2点追加です。

そういえばむかーしむかし、私が甲子園でヤクルト戦を見たときも、
金本の大飛球をマーチンが落球してしまうという珍プレーがありましたねぇ…。


あ、李炳圭は見逃し三振になりました。先程のオジサンがまたも「バカヤロー」コールも案の定です。


ところが5回裏に、その落球を裏返したが如く、ツーアウトからラミレスの打球を、井端と森野が交錯して落として2点献上、という展開になってしまいます(記録はヒット)。なんですかこの謎展開は。

さらに6回裏には、川本にツーランを打たれ、結局山井は6回6失点。
先週三橋と投手戦を繰り広げた同じ山井とは思えません。
実際今日の結果についてドラファンのブログとか見てみても、山井を叩く記事が多々見受けられました。






これだけ打たれたら、先週みたいにずっと山井に託して、あとは勝ちパターンの中継ぎで…ともいかず、中継ぎを惜しみなく投入する必要も出てくるということからか、ブルペンも俄に慌しくなってきます。
ここ神宮球場といえば、スタンドから見えるブルペンというのがかなり有名と思います。
そんなブルペンに入っていた中日の選手達をどぞ。

左:鈴木(結局登板なし) 中:平井(7回裏に登板) 右:石井(登板なし)


7回裏はこの平井が登板しますが、川本にホームランを打たれます。
なんと5点差あったのが、1点差にまで詰め寄られてしまいました。

↑有名なイニング途中の落合監督がマウンドに向かうシーン。

久本に交代します。




その後は「マスコットデー」とやらで、スワローズマスコットのつば九郎・つばみ・燕太郎が登場。
パフォーマンスタイムをお楽しみください。


↑つば九郎が提案した「ショートトラック勝負」らしいんですが、
最初から明らかに後れを取ったつば九郎に花を持たせようと、
スタートから飛ばしてた燕太郎がゴール手前でコケるオマケも。



続く8回表。

古田監督が就任してから、神宮の放送も若干変更があり、スワローズ側の攻撃に限り大リーグ調の男声放送(とはいえ、「アーローーーーン・ガイエ〜ル!」など謎の伸ばし方をするのですが)になります。逆にビジター側は今までどおりで、「6番センタァーー、李炳圭」という、あの独特のイントネーションをもつ女声放送ですよ。

「Pitcher, Bria〜n Sikorski! No.34」

あのブライアン・シコースキーです。あの右腕ぐるぐるも健在でしたよ。


先頭の森野がポテンヒットで出塁、李炳圭は案の定三球三振、英智がヒットでつなぎます。
さらに谷繁の打席では谷繁デッドボール。この頃からスタンドが俄にざわつきだします。

1死満塁で、そしてこの放送です。
「9番、久本に代わりまして、バッタぁーー、立浪 背番号3」


願ってもないチャンスに、代打の切り札立浪和義登場。

3塁側は総立ちで・・・あの曲ですよ。外野スタンドからあのトランペットの音色が。

♪ねーらーいーうーちー… ねーらーいーうーちー

ドラゴンズのチャンステーマ、山本リンダの名曲「狙い撃ち」をアレンジしたあれです。
遂にこれを歌う時がやってきました!

周りの雰囲気に呑まれた3割、元から中日を応援したかった7割で、ノリノリで応援を続けます、私(笑)





しかし残念ながらこの打席は三振。スタンド全体からため息が聞こえます。

にしても、かつての立浪コールって、「かっとばせー、和義!巨人倒せー、オウ!」って感じに、
福留と同じく下の名前で呼んでた記憶があるんですがこのときは「立浪」コールでした。
どっちが正しいんでしょうか?教えてエ○イ人。


8回裏には岡本が登板。


結局この人も西武に移籍してしまい、もうこのユニフォームを見られなくなってしまいましたね…

同じ頃、ブルペンではこの人が準備をしだしました。




9回裏。

ブルペンで準備を終えた岩瀬が、汗を拭き、少しのドリンクを口にして…


大歓声と共にマウンドへ向かいます!

1塁を守った渡辺と共にどうぞ。



これで何とか勝てるでしょう…そう思った矢先。

ノリのエラーでまさかの川本出塁。
さらに度会もヒットでサヨナラのランナー出塁。


このあと打順はトップに帰ります。
今日ホームランを打っている青木やラミレスをはじめ、一発のあるバッターが揃います。
このままの勢いだと、サヨナラなんてのも十分に考えられます。そんなことになったら、いよいよ私の疫病神(5-0からの逆転負けを2度経験する事になる)度もたまったもんじゃありませんよ…


どうにかこうにか青木三振、田中浩康ダブルプレーでヒヤヒヤの試合は決しました。
もしここでゲッツーとれずに先へ打順が繋がっていたら、
それこそサヨナラ負け、なんてことになっていたかもしれませんでした…
1 2 3 4 5 6 7 8 9 R
中日 5 0 0 2 0 1 0 0 0 8
ヤクルト 2 0 0 0 2 2 1 0 0 7
【負】石井→鎌田→吉川→シコースキー→館山
【勝】山井→平井→久本→久本→岡本→【S】岩瀬

【ホームラン】英智ツーラン
ラミレス ソロ、ガイエル ソロ、川本ツーラン、青木ソロ



マウンドに集まるナインですが…
ノリ(写真左)の苦笑が見て取れます。リアルに謝っていたらしいです。


ヒーローインタビューは、落球にも助けられた+1回表に大活躍した(らしい)森野将彦です。
ここ神宮球場もヒーローインタビューが球場内にこだまするようになったんですねぇ…。


それにしても、最後までヒヤヒヤしていて、心臓と胃に悪い試合でした…
野球は「ゲームセット」が告げられるその瞬間までわからない、ということを身にしみて感じました。



最後までわからない―

2007年のドラゴンズはまさにこの言葉がぴったり来た感じがします。
巨人・阪神と共に最後まで熾烈な1位争いを展開し、結局シーズンは2位に終わりました。

しかし今年からセ・リーグに導入されたクライマックスシリーズでドラマは起きました。
第1ステージ、ナゴヤドームでは既に疲れきっていた阪神をボコボコに叩きのめし、
第2ステージ、東京ドームでセ優勝球団・巨人に挑戦する事になりました。
その第2ステージでは、先発投手の奇策や、シーズンではあまり活躍していなかったはずの李炳圭も大活躍するなどして、なんと巨人に3連勝。2年連続で日本シリーズの切符を手にする事になりました。


そして、奇しくも昨年と同じ組み合わせになった、日本ハムとの日本シリーズ。
札幌での第1戦こそ日本ハムに敗れますが、後の4試合をなんと4連勝。
ナゴヤドームでの第5戦では、山井があわや完全試合、という好投を見せるというオマケつき。

見事53年ぶりの、文字通り「悲願」の日本一に輝きました。

さらにその日本シリーズのMVPには、なんと育成上がりの中村紀洋が選ばれるという展開に。
本当に最後の最後までわからない展開が続きました。日本一を心から祝福したいと思います。



一方、「古田敦也選手兼任監督」という大きな話題を掻っ攫った2006年のスワローズ。
ファンを喜ばせる企画「Fプロジェクト」も始動し、選手個人個人が考案するイベント(「メガネの人入場料割引」なるメガネデー、とかあったようです)も行われるなどその取り組みはスポーツニュースでも取り上げられることがありました。
その年は「F・ブラザーズ」と呼ばれる3人の外国人選手やアメリカから帰国した高津・木田・石井一久などを迎え、交流戦で調子を落とした巨人に代わってAクラス入りを果たしました。

しかし2007年。
スワローズ野球は低迷し、最下位に終わってしまいました。グライシンガーや青木、ラミレスやガイエルなど個々の力はありましたが、それ以外の選手陣の不調なども重なってしまったことなどが原因として挙げられるでしょう。岩村の穴も大きかったと思います。
結果、古田監督は引責辞任し、新たに高田繁監督のもと、再起を図る事になりました。

しかしラミレス・グライシンガーという投打の柱を2本とも巨人に持っていかれたばかりでなく、石井一久がFAで西武に移籍、シコースキーもロッテに移籍。さらにトレードではこの2人に次ぐ藤井を切るという思い切った方針に出て、投打共に再編を図らなければいけないことになってしまいました。

見て明らかに狭さを感じた神宮球場も拡張工事が行われるとかで、走塁重視の野球になっていくのでしょうか。かつてヤクルト黄金時代を築いた野村監督が去って早10年。その野村ID野球の象徴ともいえた古田もスワローズのユニフォームを脱ぎました。
この先、スワローズは新たなチームカラーになっていくことでしょう。決して一朝一夕でできることではありませんが、古田監督が掲げた「Fプロジェクト」のように、ファンが「また来たい」と思うような野球やファンサービスをやる、ということだけは、絶対に忘れてはいけない、そんな風に思います。

〜後日談〜

大阪に帰ってきて1週間ほど経ったある日。
大学のゼミ仲間で旅行に出たとき、中日ファンの友人が、東京から「同じ高校だった」という友人を呼び寄せました。

その人も中日ファンということで、少し野球談義に花が咲き、
私「神宮って本当に狭いなー、って思って。
あの英智でもホームランが出るくらいやしー。」と言うと・・・
その人「え!? ひょっとしてあの山井が打たれてたあの試合見ていたとか!?」

なんと
その人も同じく、この試合を外野スタンドで見ていたということが発覚しました。


世界って、本当に狭いんですね(笑)。


なおその友人お二人は、その後ナゴヤドームでの日本シリーズ第5戦のチケットを取ることができ、見事日本一の瞬間をその目で見ることができたそうです。私もチャンスあらば…と思っていたのですが、スケジュールがあわず断念しました。心から祝福したいと思います。

さて神宮球場といえば、試合後は選手やコーチなどが大挙してベンチから外野スタンドと内野スタンドの間の通路へと移動していき、記者の取材を受けながら、そこで時にスタンドのファンから歓声を浴び、時に罵声を浴びる光景を見た人も多いでしょう。

そんな光景の中から、まずは立浪さんを1枚。案の定、スタンドから大歓声を受けてましたね。


川相さん、試合終わりましたから帰りますよ。[ー。ー]<<(´w`;)
「炎の、感動の、ドタバタ続きの東京遠征シリーズ」 9/18ロッテ-ソフトバンク→
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